今年のマークシート問題の分析④

第16問(民法 保証)
イ 主債務者Aに、B、C二人の保証人がある。Bが全額を弁済し、AがBに対して求償債務を承認しても、BのCに対する求償権の消滅時効は中断しない。→〇
オ Aの債務の保証人がCである。Aの債務不履行により契約解除がされた場合、Aの原状回復債務についても、Cは保証の責任を負う。→〇


→ イは当然〇だし、オも基本ではないかもしれないが過去問などで知っていました。


第17問(民法 債権譲渡)
ウ 債権の譲受人が、譲渡人から委託を受けた代理人としておこなった債務者への債権譲渡通知は有効である。→〇
オ 譲渡禁止特約のある債権を、その特約を知って差押えをした者は、転付命令を得て、当該債権を取得することができる。→〇


→ 両方とも基本の肢と思います。


第18問(民法 隔地者間の契約)
2 AはBに承諾の期間を定めないで契約の申し込みをした。申し込み通知到達後、Bの諾否判断期間が経過する前に、Aが申し込みの撤回の意思表示をしたが、Bはその直後、承諾の意思表示をした場合、AB間に契約が成立する。→〇


→ 各肢文章はややこしいが、上記2が一番〇だな、と思いました。


第19問(民法 監督義務者の責任)
イ 責任を弁識する知能を備えない未成年者の行為により火災が発生した場合に、失火の責任に関する法律による「重大な過失」の有無は、未成年者の監督義務者の監督について考慮される。→〇
ウ 民法714条の法定の監督義務者に当たらない者であっても、責任無能力者との身分関係等に照らし、監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情が認められる場合、法定の監督義務者に準ずべき者として、同条が類推適用される。→〇


→ 明確な知識はないが、一般的に常識的な考え方で、他の肢も比較すると、上記イ、ウが〇と判断できそう。


第20問(民法 実親子関係)
3 妻が、夫の死後に、冷凍保存されていた当該夫の精子を用いた人工生殖により出産した場合、夫と子の間に実親子関係は生じない →〇


→ 他の肢も含めて、ニュース知識として知っていました。DNA鑑定による親子判定と民法の規定により認められる親子関係では、全く制度主旨が異なるなど、民法の勉強を始めてから、一層ニュースなども興味深く見るようになりました。


第21問(民法 養子縁組)
ウ 夫婦が未成年者を養子とする普通養子縁組をした後に、未成年者である間に離縁する場合は、原則として、夫婦が共にしなければならない。→〇
オ 特別養子縁組の養親は、家庭裁判所に、離縁を請求することはできない→〇


→ 両方とも基本の肢と思います。


第22問(民法 遺言) → 本番間違い
イ 自筆証書遺言には、押印の代わりに花押を用いることができる。→?
ウ 秘密証書遺言の保管者は、相続開始を知った後、遅滞なく、検認を請求しなければならない。→?
オ 疾病により死亡の危急に迫った者は、証人に遺言の趣旨を口授して、遺言できる。
→ 明解な〇。


→ イウの2択になったが、「秘密証書遺言は公証役場に保管される」という重大な思い込みミスにより大きな✖をつけてしまい間違い。後から考えれば、戦国武将が書状に書いていたサインのようなものが、押印の代わりとして認められないよな、と思います。


第23問(民法 相続分の計算)


→ こういう問題は直前に過去問で練習しておくと、本番は自信をもって正解できます。
寄与分はマイナスし、贈与分はプラスするなど、結構細かいので、直前に振り返らないとすぐに忘れてしまいます。(抵当権による競売代金の配当や物上代位の問題も同じです)


第24問(刑法 共同正犯)
ア ABがCの殺害を共謀し、BがDをCと誤認して殺害した場合、AにはDに対する殺人罪の共同正犯は成立しない→✖
オ ABがCへの暴行・傷害を共謀し、Cへの暴行の最中、Bが殺意をもってCを殺害した場合、Aは傷害致死ではなく、傷害罪の共同正犯となる→✖


→ 両方とも基本の肢と思います。


第25問(刑法 放火罪)
ウ 放火罪の「公共の危険」とは、不特定かつ多数の人の生命、身体、財産に対する危険をいう。→?
エ 現住建造物等放火罪にいう「現に人が住居に使用する」の「人」には、犯人も含まれる。→明解な✖
オ 1個の放火行為により、現住建造物を焼損する目的で、現住建造物と隣接する非現住建造物とを焼損したときは、現住建造物等放火罪のみが成立する。→〇


→ ウの判断は難しいが、エとオを判断し、正解できそう。


第26問(刑法 名誉棄損罪)
ア 名誉棄損罪における名誉の主体は自然人に限られ、法人を含まない→✖
ウ 公然と事実を適示するとは、不特定多数人が事実を認識する状態に置くだけでは足りず、現実に認識することを要する。→✖


→ 両方とも基本の肢と思います。法人に対する名誉棄損・侮辱罪は成立し、法人に対する脅迫罪は成立しないということをセットで直前にインプットし直すようにしています。



今回はここまでです。次回でようやく午前の部が終わりそうです。